消防庁、歌舞伎町のビルを一斉立ち入り ビル火災10年で
44人が死亡した東京・新宿の歌舞伎町のビル火災から9月1日で丸10年を迎えるのを前に、東京消防庁などは31日、歌舞伎町地区の雑居ビルなどの一斉立ち入り検査を実施した。雑居ビルの法令違反率は依然高く、同庁は「『自分のビルでは大規模火災が起こらない』という安易な考え方が火災の記憶を風化させている」と指摘している。
検査は同庁職員や警視庁新宿署員ら計約300人態勢で実施。雑居ビルなど約580棟に立ち入り、階段や通路に荷物が置かれていないかなどを調べた。
同日夜には現場近くの広場で、現場ビルで火災当時にアルバイトをしていた2人の娘を亡くした植田安子さん(59)らが献花し、犠牲者の冥福を祈った。植田さんは「今でも気持ちの整理がつかない。娘たちの死が無駄にならないよう、安全な街になってほしい」と涙ながらに話した。
東京消防庁が昨年実施した防火体制検査では、雑居ビルなど都内の6793棟の約73%で法令違反が見つかった。
改善が進まないとして、今年4月には重大な違反があるビルの名前を公表する「違反対象物公表制度」を導入。31日現在、自動火災報知機を設置していないビルなど計30棟を公表している。同庁担当者は「安全を無視して営業するビルには、改善命令や警告を出すことで指導を徹底したい」と話す。
2011年09月01日 日本経済新聞
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