“土管屋”になりたくない携帯キャリア、収益化に苦戦
今のところ、携帯キャリアにとって最も重要な対策は、価格設定をもっと果敢に、選別的にすることだという点でアナリストの意見は一致している。
「キャリアは間違った見方をしており、音声通話のビジネスモデルからアプローチしている」とデンマークのコンサルティング会社ジョン・ストランド氏は語り、通信企業はノートPCで大量にデータを使うユーザーの料金を引き上げる必要があると付け加えた。
スイスの調査会社Informaのアナリスト、マーク・ニューマン氏は、きっぱりとヘビーユーザーに圧力を掛けるべきだと指摘する。
「キャリアは数パーセントのヘビーユーザーが誰なのか知っているし、彼らと連絡が取れる。彼らが通信会社を乗り換えたら、他社のネットワークを混雑させるだろう」
それに気づいている通信事業者もいる。
仏France Telecom傘下のOrangeは、モバイルインターネットの無制限アクセスプランをほとんどやめており、最も高額なプランを除いては、データ通信カードには通信量に上限付きのあるプラン、スマートフォンユーザーには定額の通信量上限付きプランを提供している。
「まだすべての解決策を見つけたわけではないが、前進している」とOrangeのモバイルサービス責任者アン・ブーベロ氏は語る。
ネットワーク問題とカバレッジの悪さを批判されることの多い米AT&Tは、定額無制限のデータプランをやめて、段階的な価格設定をいち早く導入したキャリアの1社だ。
「ここで再度、土管屋の問題が出てくる」とErnst & Youngのフォースト氏は語る。「これは携帯会社にとって危険だ」
通信会社が「電気や水道のようにただ接続サービスを提供し、価格だけで競争する」運命を避ける対策を打つための時間は限られている。
既にそのような状況になっているとの見方も一部にはある。
「キャリアは“ダムパイプ”(回線を提供するだけのパイプ役)になりつつある」とソフトバンクの孫正義社長は語り、「憂鬱な現実だ」と付け加えた。
2011年02月23日 ITメディア
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