都、臨海副都心の売却予定地を3年連続で値下げ
東京都は臨海副都心で企業の進出が進まない青海、有明地区(東京・江東)の計約5万7300平方メートルの都有地の最低売却価格を前年より約7~8%引き下げた。地価下落に伴うもので、3年連続の値下げとなる。ただ、これで売却できるかは不透明で、売却が遅れれば借入金の返済計画に影響が出る可能性もある。
公募街区はゆりかもめのテレコムセンター駅近くの「青海C2」(約5100平方メートル)や「青海F1―S」(同5100平方メートル)など5区画。このうち1区画は辞退が出たため10月3日から再公募する。残り4区画はすでに公募を始めている。
最低売却価格は1平方メートルあたり約83万~約97万円とした。国土交通省の4~7月の地価動向調査で東京圏は7割の45地点で下落。こうした傾向を踏まえて値下げした。この3年間で14~15%値下げしたことになる。
都は臨海副都心の処分対象163万平方メートルのうちすでに約7割について売却または長期貸し付けを決定している。10年度には住友不動産が有明北地区(11万平方メートル)を購入した。残り45万平方メートルのうち、現在、約5万7300平方メートルを売り出している。これ以外の約39万平方メートルについては「比較的、好立地なため、買い手を見つけやすい」(港湾局)とみている。
臨海副都心開発は一般会計とは別に、公営企業会計で運営している。現在の臨海副都心開発の借入金残高は約2400億円。2014年度にはこのうち1455億円分の返済期限が訪れる。都は「土地の売却状況を見極めながら借り換えるか、一括返済するかなどを判断する」(同)という。
土地の値下げに歯止めがかからず、売却も見込み通り進まなければ、返済計画の見直しを迫られる可能性もある。実際、10年度に1340億円を一括返済する方針だったが、これを転換し、900億円を借り換えて当面の資金を確保している。
7月の企業向け説明会には大手百貨店やスーパー、大学など前年度を9上回る26の企業や団体が集まった。
ただ、東日本大震災以降、臨海部では地震が起きた場合の液状化や津波の被害を懸念する声も出ている。このため、都は臨海副都心は震災で液状化がなかったことや津波対策を実施していることなどを説明する企業向け資料を初めて作成、安全性をPRしている。また、不動産仲介業者向けの仲介成功報酬額も上限2億円に倍増させている。
2011年08月30日 日本経済新聞
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