罹災証明書の発行迅速化 東京都と京大、新システム来春稼働
東京都は首都直下型地震など大規模災害の発生時に、倒壊した建物の所有者や居住者をすぐに特定できる情報システムを来春にも稼働させる。被災した建物の現地調査の結果と固定資産税の課税データなどを照合する「東京版・被災者支援システム」を京都大学と共同で開発した。罹災(りさい)証明書発行までの時間を短縮して、義援金給付などの遅れを防ぐ。都はシステムの採用を他の自治体にも働き掛ける方針だ。
現地調査で判明した「全壊」「半壊」などの建物の被害状況を専用の調査票に手書きする。自動読み取り装置を使ってパソコンに入力し、住民基本台帳や固定資産税の課税データなど個々の建物の情報と結びつける。
現状ではそれぞれのデータを別に管理をしているため、データの突き合わせに人手と時間がかかる問題がある。システムが稼働すれば、現地調査が終わり次第、迅速に結果が得られる。
9月に豊島区、11月に調布市で実証実験を開始し、来年4月に都内での実用化を目指す。システムは都内で戸建てやマンションなど約270万件をカバーする計画だ。
倒壊した住宅の修理や解体、仮設住宅への入居、税・保険料の減免といった生活支援は、罹災証明書をもとに主に区市町村が担う。しかし、今年3月11日の東日本大震災の被災地では証明書発行までに2カ月以上かかる例もあった。現地調査に手が回らず、さらに調査後の事務作業にも時間がかかったことが原因だ。都は被害調査結果と建物に関する個人情報を前もって連動させておけば、発行が円滑にできるとみている。
2007年7月に発生した新潟県中越沖地震で地元自治体の業務が混乱したのを踏まえ、京大防災研究所(京都府宇治市)がシステムの開発を進めてきた。システムには汎用性があり都以外でも利用可能なため、都は他の自治体に採用を働き掛ける。
2011年08月26日 痛いニュース
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