ジョブズ氏、アップルCEO辞任 株価、時間外で下落
【シリコンバレー=岡田信行】米アップルは24日、病気休養中のスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO、56)が同日付で辞任し、ティム・クック最高執行責任者(COO、50)が昇格したと発表した。ジョブズ氏は会長に就任し、取締役会メンバーにも残留する。ジョブズ氏は今年1月に病気休養を発表、日常業務はクックCOOに任せてきた。
ジョブズ氏のCEO辞任を受けて、24日の米株式市場の時間外取引でアップル株式は売られ、一時、同日終値に比べて7%近く値下がりした。
ジョブズ氏は24日、取締役会に辞表を提出、承認された。アップルはジョブズ氏が取締役会と社員にあてた手紙を公開。ジョブズ氏は、「アップルCEOとして業務を遂行できなくなった場合にはいち早くお伝えすると常々申し上げてきた。残念ながら、その日が来てしまった」と述べ、辞任理由が健康問題であることを明らかにした。
ジョブズ氏の病状は明らかではないが、2004年に休養し、膵臓(すいぞう)がんの手術を受けたほか、09年には肝臓移植手術を受けるなど、病気休養と復帰を繰り返してきた。高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」や多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」などの販売増で好調なアップルだが、ジョブズ氏の健康問題が「唯一の懸念材料」(証券アナリスト)とされてきた。
ジョブズ氏は1976年に友人のスティーブ・ウォズニアック氏とアップルコンピュータ(現アップル)を創業。パソコン「マッキントッシュ」で一時代を築いた。その後、経営陣の対立でいったん退社するが、経営不振に陥ったアップルのトップに復帰。パソコン「iMac」、携帯音楽プレーヤー「iPod」、「iPhone」、「iPad」と次々と製品をヒットさせた。
ジョブズ氏は各種機器をヒットさせるだけでなく、音楽や映画を配信・管理するソフト「iTunes(アイチューンズ)」を用い、ハードとソフトを融合したビジネスを確立。11年4~6月期決算では売上高が前年同期比82%増の285億7100万ドル、純利益が同2.2倍の73億800万ドルと過去最高を更新。株式の時価総額で資源大手エクソンモービルを一時抜いて米企業首位に立った。
2011年08月25日 日本経済新聞
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