東京都、社会福祉法人の経営把握へ指針 サービス悪化防ぐ
東京都は社会福祉法人の経営実態を把握するために注意すべき点をまとめた指針を区市町村に示した。特別養護老人ホームや保育所などを運営する法人が経営基盤の弱さを理由に、利用者へのサービスを悪化させたり停止させたりすることを事前に防ぐ狙い。貸借対照表や収支報告の財務指標をチェックする際に注意が必要なポイントを挙げている。
都内の社会福祉法人の放漫経営や不正行為などは都が指導や検査を実施している。ただ、介護保険や保育などは区市町村が担当しており、国は社会福祉法人に関する権限の一部を都道府県から市などに移す方針。都は区市町村による経営への関与を深める必要があると判断した。
例えば、労働分配率(都内法人平均は約85%)は「100%以上になると恒常的な赤字が生じる可能性がある」と指摘。平均85%程度の純資産比率は「高いほど法人経営が安定する」などと記載した。
公立施設を民営化したり公有地を活用した施設誘致をしたりする際には、経営実績以外に企画力や人員、資金などの計画にも留意するよう求めた。問題があれば、都に情報を提供するよう要請している。
2011年08月19日 日本経済新聞
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