スマホで3G回線パンク寸前 携帯各社、データ料定額見直しも
大量のデータをやりとりするスマートフォン(多機能携帯電話)の急速な普及で、第3世代携帯電話(3G)の回線が数年内にもパンクする恐れが出てきた。米国ではデータ通信料の「定額制」を見直す動きが出ており、国内の携帯各社もこの問題への対応を迫られつつある。
スマートフォンは大容量の動画やゲームを手軽に楽しめるのが魅力。だが「従来の携帯と比べると1人当たりの通信量が10~20倍」(KDDI)にもなるため、通勤ラッシュ時や人が集まる駅周辺などでは現在でも、回線がデータをさばききれず通信速度が遅くなる問題を抱えている。
米アップルの「iPhone(アイフォーン)」でブームのけん引役となったソフトバンクモバイルの孫正義社長は、7月末の記者会見で「(他社より先に)通信が遅い、つながらないという問題が顕在化している」と話した。
同じ問題を抱える米国では通信大手のベライゾン・ワイヤレスがデータ通信の定額制を廃止し、使用量に応じて料金を徴収する従量課金制に切り替えた。孫社長は米国の動きを念頭に「料金体系を含めて(通信量を)管理していかないといけない」と指摘。ベライゾン・ワイヤレスは定額制の見直しの是非を検討しているという。
■スマートフォン 情報端末としての機能が充実した携帯電話で、外出先でもインターネットのホームページや音楽、動画などを快適に楽しめる。「アプリ」と呼ばれるソフトウエアを本体に取り込んで、機能を増やせるのも特徴だ。調査会社の矢野経済研究所は、スマートフォンの2011年度の国内出荷台数は10年度の約2・5倍の2131万台となり、初めて携帯電話の過半数を占めると予測している。
2011年08月18日 産経ニュース
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