都内水道管の耐震化急ぐ 19年度までに5割、3000億円かけ
東京都は都が管理する上水道の水道管(総延長約2万6000キロメートル)のうち、約21%を2019年度までに耐震化する方針を決めた。10年度末までに27%が整備済みのため、都内の水道管の約5割が耐震化されることになる。総事業費は3000億円超となる見込み。首都直下型地震などに備え、災害時の断水被害を最小限にとどめライフラインを確保する狙いだ。
既存の水道管を耐震性の高い「耐震継手(つぎて)管」に交換する。都水道局によると、水道管は4~5メートル程度の管を接続して地下に張り巡らしている。既存の水道管の場合、地震時には管の接続部分が外れ断水や漏水につながりやすい。耐震継手管は管どうしを外れにくくする部品が付いており、地震に強いという。
継手管の利用率を10年度末の27%から、12年度に32%、19年度に48%まで高める計画だ。耐震化は、断水、漏水の防止に効果があるだけでなく、地震が起きてから給水の復旧までの日数を短くする効果もある。現在、都が想定する復旧までの日数はおおむね30日以内。耐震化率が48%まで高まる19年度には、復旧日数が20日以内に短縮すると見込んでいる。
「東京湾北部でマグニチュード7.3の地震が起きる」とする都の想定によると、水道が止まる「断水率」は都内平均で35%。23区は46%、多摩地区は11%と予想している。
23区のなかでも、液状化の発生などが予想される東部地域ほど水道管への被害が大きくなると予想。断水率は墨田区が80%、江東区が79%に達するという。このため、都は東部地域を優先して耐震化工事を進める方針だ。
都水道局によると、東日本大震災では稲城市、日野市で断水が約4万2000件発生した。04年10月の新潟県中越地震後の住民アンケートでは、「困難を感じたライフラインの機能停止」として水道が電気、ガスを上回り最多だった。
2011年08月17日 日本経済新聞
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