次世代バーコード使いデータ通信量増大 島根大とテクノプロ
島根大学と、システム開発を手掛けるテクノプロジェクト(松江市、吉岡宏社長)は新技術の「3次元カラーバーコード」を使ってインターネットを通じたデータ通信量を増大させるシステムを開発した。データ圧縮率が従来より3割程度高く、セキュリティー機能を併せ持つ点が特徴。診断データのやりとりなど遠隔医療への活用を検討している。
島根大総合理工学部数理・情報システム学科の六井淳・情報科学博士が開発した3次元カラーバーコード技術を活用して、テクノプロジェクトが医療機関向けなどにシステム化の研究を進めてきた。
3次元カラーバーコードは、通常のバーコードやQRコードが平面(2次元)上の白黒のイメージパターンに情報を読み込ませる仕組みであるのに対し、それぞれ違う色の平面を何層も重ね合わせて、データを立体的に格納するのが特徴。上から見た際の色の重なり方からデータを読み込む方式。理論的には、層の数を増やすほど格納できるデータ量が無限に増すことになる。
テクノプロジェクトはこの仕組みを電子化したうえで、ネット上での通信の際のデータ圧縮技術に応用した。例えば、レントゲン写真などの画像を遠隔地の診療所から都市部の大病院に送る場合、一度にたくさんの画像を送れるようになり、患者搬送などの判断が正確かつ迅速に行えるようになる。
3次元カラーバーコードで立体的に情報を格納することで高度な暗号化にもなり、誤送信などによる個人情報流出の防止にもつながるとしている。
テクノプロジェクトが実際に医療機関が検査用に使っている磁気共鳴画像装置(MRI)の画像20枚(ファイルサイズはすべて52万6530バイト)を圧縮したところ、現在主流の圧縮技術「ZIP」では圧縮後のサイズが15万6201~26万1998バイト。一方、3次元カラーバーコード技術を使った圧縮では、10万8725~19万396バイトとなり、圧縮率は3割前後向上した。
2011年08月10日 日本経済新聞
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