三菱東京UFJの中小向け環境融資、全国初案件に名城食品
三菱東京UFJ銀行は中小企業向けの新たな環境関連融資制度で、全国初の案件に名城食品(愛知県阿久比町)を選定した。省エネに向けた資金を提供して二酸化炭素(CO2)排出量を削減し、捻出した排出枠の売却も一括して支援する。手元資金には限界がある中小企業にとって省エネ化投資は難しい。三菱東京UFJ銀は厳しい状況にある中小企業の環境対策を促し、取引関係の強化につなげる。
製麺業の名城食品は三菱東京UFJ銀から2億円の融資を受けた。滋賀県と山口県にある工場で既存ボイラーを省エネ型に入れ替えた。これにより年1000トン超のCO2を削減できる見通し。最終的には三菱東京UFJ銀の顧客である大企業などに排出枠を売却する計画。名城食品は継続的に年間100万円程度の収入が見込めるという。
この枠組みは経済産業省の排出枠取引制度を利用したもの。手続きは各種計画書作成など所定の要件を満たす必要があるが、ノウハウを保有する三菱東京UFJ銀とグループ企業の三菱UFJリースが協力して支援。年内には排出枠売却の作業が完了するという。
このパッケージ型の環境関連融資商品は5月に発売。企業の資金需要が低迷するなか、三菱東京UFJ銀は排出枠の売却収入という顧客に利点のある融資商品を提案し、顧客囲い込みをめぐる地方銀行などとの競争で優位に立ちたい考え。
三菱東京UFJ銀は「電力不足の長期化が予想され、企業の省エネ意識が高い状態が続く」(法人業務部)と分析。今後は省エネ効果が大きいと見ている食品や化学、自動車などへの営業を強化していく方針だ。中部などの中小企業にとっては、環境投資に踏み切る契機となりそうだ。
2011年08月04日 日本経済新聞
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