豪雨被害 新潟・三条の企業、復旧急ぐ
新潟、福島両県を襲った記録的な豪雨災害は新潟県内の企業にも多くの被害をもたらした。三条市などでは小売業や製造業の店舗が水につかり、社員らは週末返上で対応に追われた。新潟県は被害の全容把握を急ぐとともに道路に堆積した土砂の除去や河川の改修などの復旧作業を続けた。
流通業界では店舗への被害が相次いだ。三条市に本社を置くオーシャンシステムは7月30日にスーパー「チャレンジャー燕三条店」が約20センチ浸水。商品棚に陳列した食品のうち下段に陳列していた多くの商品が軒並み水に浸ったという。地下に埋設していた配線もぬれ、一部のレジなども使えなくなり、8月1日まで営業を休止した。
オーシャンシステムは清掃業者を手配し、店舗の従業員に加え、本部社員約20人も動員して週末返上で復旧作業を急いだ。浸水による商品の廃棄や電気設備機器の浸水による故障、不具合なども発生しているという。被害額は現時点では未定だとしている。同社は「かき入れ時のお盆前。総動員で復旧を急いだ」(古川原英彦常務)としている。
ホームセンターのコメリは中越地域の6店舗で浸水被害が出た。営業を見合わせ復旧作業を進めた結果、1日には営業を再開。一方で県境の福島県の柳津町の店舗は同日も休業したままだ。
総合スーパーのイオン県央店(燕市)は7月30日に終日休業。1991年に開業して以来、休業したのは初めて。店舗周辺の道路が冠水し、駐車場も水であふれた。水が引くのを待って、31日に営業を再開した。
家電や衣類の中古品の買い取り販売のハードオフコーポレーションは新潟市西区の中古書籍を扱う店舗が浸水した。倉庫に保管していた中古書籍が段ボール10箱分が売り物にならなくなった。ただ8月5日にオープン予定の三条市内の店舗に被害はなく、予定通り開業する方針だ。
製造業については「今のところ大きな被害報告はないが、工場などが浸水した地域がある」(三条商工会議所)という。
プラスチックの成型加工を手掛けるスター精機(同市、小林満社長)は7月29日から31日にかけ工場や事務所が5~25センチメートル浸水し、社用車2台が使えなくなる被害が出た。工場の設備は浸水が始まる前に動かせるものは移動していたため、大半は浸水を逃れて8月1日に生産を再開した。
同社は2004年の水害時に深さ1メートル以上の浸水で設備のほとんどが使えなくなる被害が出た。小林社長は「今回は水位が低く、上昇速度もゆっくりだったのが幸いだった」と話す。
新潟商工会議所の敦井栄一会頭は1日、日本経済新聞社の取材に対し「各商議所を通じて被害情報を集めている。3月の地震でも被害を受けた十日町市などは心配している」と話した。
2011年08月02日 日本経済新聞
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