都、避難者の就業支援拡大 職業訓練や雇用助成
東京都は都内に避難している東日本大震災の被災者を対象にした就業支援を拡大する。無料で職業訓練ができる場を提供する一方、避難者を雇用した企業には助成金を交付する。一連の事業で11億円を補正予算で計上した。避難中の暮らしを支えるだけでなく、地元に帰ってからの就職に役立つ技能の習得も後押し、少なくとも5000人に上る都内の避難者をきめ細かく支援する。
就業訓練は都内に13カ所ある都の職業能力開発センターを利用する。10月から受講できる全92講座の定員の1割にあたる240人分の優先入校枠を被災者向けに設ける。講座は電気や機械、事務関係など多岐にわたり応募倍率が4倍を超すコースもある。11日に募集を始めた。
被災地での就職を望む人には民間の教育訓練機関と連携し、ブルドーザーなど建設機械の操作技術の習得と運転免許の取得を支援する。40万円前後かかる学費は都が全額負担する。120人分の予算を用意した。主に被災地での復興作業に携わる仕事を想定する。
職業訓練と並行し、被災者を半年以上雇用した企業には1人あたり60万円を助成する取り組みも始める。避難中の生活費に充てるため、今すぐ仕事が必要だという人に短期間の働き先を確保するのが目的。
避難者専門の相談窓口を8月中に東京しごとセンターに設置して、希望に沿った企業を紹介する。このほか都内企業と都内で就職を希望する被災者向けの合同就職面接会も今年度中に4回程度実施する計画だ。
都が4~5月に都内に避難する被災者約250人を対象に実施したアンケート調査によると、被災地に戻っての就職を希望する人が22%だったのに対し、都内や首都圏での就職を希望する人は64%だった。
ただ「いずれ地元に戻りたいと考えながらも、現実的には都内で働くことを望む人が多い」(産業労働局)とみており、短期的な雇用機会と長期的に使える技能習得の両面で支援する。
2011年07月21日 日本経済新聞

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