ゲイツ財団がトイレ革命を支援、各国の研究に補助金
(CNN) 米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長夫妻が運営する財団は19日、1700年代の水洗トイレ発明以来、あまり注目されることのなかったトイレ工学の革新を促すため、各国の大学に4150万ドル相当の補助金を拠出すると発表した。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団によると、現代の水洗トイレは1775年に発明されて衛生革命をもたらし、多くの人命を救ってきた。しかし途上国では上下水道が整備されていないところも多く、コストがかかりすぎるなどの事情から、現代のトイレはまだ世界の3分の1にしか普及していない。さらにトイレ自体が汚物を処理できるわけではないという問題もある。
世界保健機関(WHO)によれば、世界ではまだ約25億人が現代型のトイレを利用できず、それが原因で下痢性の疾患が広がって年間150万人の子供の死につながっているという。
こうした問題を解決するため同財団は、新型トイレの発明プロジェクトを進めている世界8大学の研究チームに補助金を拠出する。
具体的には、「汚物から水分と塩分を回収するトイレ」(英ラフバラ大学)、「汚物から発電できるトイレ」(オランダのデルフト工科大学)、「汚物を24時間で殺菌できるトイレ」(カナダのトロント大学)、「太陽熱を使って汚物を処理して燃料に変えるトイレ」(米カリフォルニア工科大学)などのプロジェクトが支援の対象となる。
各プロジェクトでは1年以内に試作品の開発を目指し、3~4年以内の実用化を見込む。財団の担当者は「安価で貧困状態にある人でも使いたいと思い、鉱物とエネルギー、水分をリサイクルできるトイレの発明につなげたい」と話している。
2011年07月20日 CNN
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