「活性化に貢献」わずか1割…四国の無料高速
6月19日に終了した高速道路の無料化実験について、いよぎん地域経済研究センター(松山市)が終了前に四国内実験区間沿線の企業や自治体を対象にアンケート調査を行ったところ、「地域活性化につながる」としたのはわずか1割強にとどまった。
恩恵を受けた業種が限定的だったことなどが理由とみられ、同センターは「今後、料金体系を考える際は長期的、多面的な視点からの検討が必要」と指摘している。
四国内では昨年6月28日から約1年間、松山自動車道の松山インターチェンジ(IC)―西予宇和IC間と、高知自動車道の高知IC―須崎東IC間で無料化を実施。調査は昨年8~12月、実験区間の沿線にある51企業・自治体と高知県西部地域の12団体に面接や電話で実施した。
「自社業務への効果の有無」について、58・7%が「なかった」と回答。理由として、「(無料化区間沿いの)国道の交通量が半減し、売り上げが3割減」(愛媛県伊予市・農産物直売所)、「交通量が増加し、事故や渋滞のリスクが高まった」(複数)、「長距離輸送が多く、松山―西予宇和間が無料になった程度では時間短縮、コスト削減効果は小さい」(宇和島市・運送業)などの声が上がった。
一方で、「松山などからの来場者が大幅に増えた」(宇和島・道の駅)、「高速を使うようになり時間短縮がはかれた」(行政)などを理由に、41・3%が「効果があった」とした。
また、「無料化によって地域活性化ははかれない」としたのは85・7%で、「活性化する」とした12・7%を大きく上回った。「無料化区間の終点に近い西予市や高知県須崎市では観光振興につながったが、地域・産業が限定的で地域活性化とは言えない」などの意見が多かった。
公共交通機関についても、「高速バスの運賃収入減で、ローカル線の維持に影響する」「無料化で関西からのフェリーの廃止、減便が相次ぎ、ルートの多様性が無くなりつつある」など負の影響を指摘。「無料化よりも高速未整備区間への延伸を」「本四架橋(瀬戸大橋、しまなみ海道)の料金見直しを」と総合的な整備、対策を望む声が上がった。
2011年07月20日 読売新聞
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