中小企業の海外進出、ジェトロ・地銀が支援強化
県内の公的機関や地方銀行が中小企業の海外進出の支援体制を強化する。東日本大震災や円高などを契機に、海外進出でリスク分散を目指す動きが増えているため。現地の市場動向や事業計画の作成など本格的な展開に向けた研修を充実させるほか、支援担当者を増員するなど具体的な計画作りを後押しする。
日本貿易振興機構(ジェトロ)千葉貿易情報センター(千葉市)によると、震災を境に海外進出に関心を持つ企業が急増。4月に31件だった海外進出への問い合わせが6月はほぼ倍の65件に増えた。
ジェトロ千葉が震災前に実施した県内企業約360社へのアンケートでは、7割弱の企業が「海外投資の予定は無い」と回答するなど関心は薄かった。「円高の影響や震災による国内受注の減少で、海外を視野に入れざるを得なくなったのでは」(ジェトロ千葉)とみられる。
中小企業の海外展開熱に応えるため、ジェトロ千葉は千葉商工会議所と船橋商工会議所と共同で、海外進出のノウハウを学ぶ中小企業向けの研修会「ちば海外ビジネス塾」を今月から開催する。
来年2月まで計4回開く予定。アジアの国別の市場動向や、既に進出した県内企業の成功事例を紹介する。製造業やサービス業など業種ごとに現地での事業計画の立て方も指導する。
ジェトロ千葉の企業向けの研修はこれまで輸出用の書類の書き方など事務関連の指導が中心で、現地の市場動向など実務を教える機会はあまり無かったという。参加者の評判をみて、今年度中に数回同じ研修会を開催する予定だ。
千葉銀行は海外市場を学ぶ企業向けセミナーの回数を増やしている。昨年は中国向けの1回だったが、今年は9月末までにタイやベトナムなどアジアを取り扱う研修会を計3回開催する予定だ。
担当行員も2人増やし計4人とした。アジアで企業の資金調達を円滑に進めるため、アジアや中東の21カ国に約1400の拠点を持つ英スタンダードチャータード銀行と今月提携した。
ジェトロ千葉によると、県内では約1000社が輸出などで海外との取引があり、そのうち300社程度が工場や事務所を設置するなど直接投資しているとみている。
2011年07月15日 日本経済新聞
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