地銀の企業融資が減少 債券運用増で含み損リスク
東北の地方銀行で企業向け融資の減少が目立っている。2010年末の残高を公表している8行のうち、みちのく銀行、岩手銀行、山形銀行など7行で前年同期比で減少した。景気は回復傾向だが、資金需要は依然低迷している。各行とも余資を国債などで運用しているが、債券価格が下落するなか、保有債券の含み損を抱えるリスクが出ている。
企業向け貸出金残高は青森銀行、秋田銀行、北日本銀行、仙台銀行でも減少した。みちのく銀行で3.7%減、岩手銀行で2.2%減となるなど北東北で落ち込みが目立つ。みちのく銀は昨年から支店に新規顧客の開拓を担当する専門部署を設けて資金需要の掘り起こしに当たっている。
自治体や個人向けは堅調だが、これらを含めた全体の貸出金残高は東北に本店を置く13行・1グループ合計で0.8%増にとどまった。岩手、秋田、仙台、きらやかの4行で減少した。
一方、預金残高(譲渡性預金を含む)は13行・1グループ合計で2.7%増。預金残高に対する貸出金残高の割合を示す預貸率は東北はもともと低いが、66.0%とさらに1.3ポイント低下した。
貸し出しの伸び悩みと金利の低下で各行の収益環境は厳しい。10年4~12月期決算で預金と貸出金の利ざやから得る資金利益を増やしたのは七十七銀行と青森銀行、フィデアホールディングスだけだった。
貸し出しが伸び悩む中相次いで債券運用を増やしている。東邦銀行は国債残高が4割増、七十七銀行も1割増やした。ただ、長期金利の上昇で債券価格は下落している。国債の依存度が高まることで含み損を抱えるリスクも高まっている。
2011年02月18日 日本経済新聞
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