米投資家、国際会計基準採用に前向き SECが会合
【ニューヨーク=川上穣】米証券取引委員会(SEC)は7日、国際会計基準(IFRS)の適用の是非を巡り、米投資家など関係者を集めた会合を開いた。出席者からは米国の影響力を行使しながら、将来的にIFRSを採用するのが望ましいとの意見が多く出た。SECは年内にも国際基準を採用するか判断する構え。米国の動向は、IFRS導入の見直し論が出る日本にも影響を与えそうだ。
会合では米金融大手モルガン・スタンレーが「企業を分析する上で異なる基準があるのは望ましくない」と指摘。米最大の公的年金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は「IFRSを米会計基準に緩やかに組む込むという方向性をSECは5月に示しているが、これを支持する」と表明した。
ただ、米国内に事業が限られる中小企業の経営者は「導入コストが重荷になる」と指摘。国際基準の適用対象から外すよう求める声も聞かれた。
米国では昨夏に成立した金融規制改革法の詳細を決める調整が難航している。このため、会計基準に関する決定も遅れるとの観測も浮上している。シャピロSEC委員長は会合の冒頭で「(国際基準を適用するかは)SECにとって重要な決断であり、軽視しているわけではない」と強調した。
2011年07月08日 日本経済新聞
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