ITでミカンの品質向上?! 富士通、和歌山で実証実験
富士通は7日、インターネット経由で必要なシステムを提供する「クラウドコンピューティング技術」などのIT(情報技術)を使い、ミカンの品質や生産性を高める実験を始めたと発表した。スマートフォン(高機能携帯電話)やセンサーを駆使し、さまざまな情報を集め、詳細に分析することで天候や害虫に左右されにくい栽培手法を確立する。サーバーなどの情報機器を導入する必要がないクラウド技術の採用により、初期費用の抑制と効果の両立も目指す。
実験は和歌山県有田市でミカンの栽培を行う早和果樹園の農園で行う。農園内の5カ所にセンサーを設置して気温や降水量を計測するほか、農作業従事者にスマートフォンを配り、撮影画像やGPS(全地球測位システム)機能で検知した作業場所など、あらゆる情報を収集。農園内にある5000本のミカンを1本1本きめ細かく管理する。
データは富士通がデータセンターで保管し、クラウド技術によってネット経由で提供するため、パソコンがあれば常時閲覧できるという。分析には和歌山県の農林水産総合技術センター果樹試験場が協力し、他のミカン農家へのノウハウ提供も視野に入れる。こうした取り組みにより、農園で育てているミカンのうち、高級ブランドの「味一」が占める割合を3倍に高めたい考え。一般的なミカンが1キロ200円程度とすれば、「味一」は350円程度と価格が高く、収入面で大きな効果が期待できるとしている。
富士通は、宮崎県都城市や滋賀県彦根市でもクラウド技術を使って農作物の品質や生産性を高める実験を行っている。実験の成果を踏まえて今年度中にも農家向けの支援サービスに乗り出し、農業市場でのビジネス拡大につなげる考えだ。
2011年07月07日 産経ニュース
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