食品廃棄物を燃料炭に 新潟特殊企業が阿賀野に工場
産業廃棄物処理を手掛ける新潟特殊企業(新潟市、富田力社長)は、食品工場などから出る廃棄物を燃料として使える炭に加工する工場を県営東部産業団地(阿賀野市)に建設する。約13億円を投じて5月にも着工、2012年春に稼働を始める。焼却や埋め立てに比べ、環境に優しい廃棄物の処分方法として、食品会社などにPRし、事業拡大を目指す。
東部産業団地に約1万2500平方メートルの用地を約1億1500万円で取得し、「バイオマスエコセンター」(仮称)を建設する。食品工場などで出る汚泥を脱水、乾燥、炭化する2階建ての施設など4棟を建てる。土地の取得も含めた投資額は約13億円。
新工場建設は、生物資源の活用を目指す阿賀野市の「バイオマスタウン構想」の一環。投資額の一部はバイオマス(生物資源)の利用を支援する農林水産省の補助金を活用する予定。工場の建設計画は県の都市計画審議会でも承認された。
新工場では新たに10人程度を雇用する。米菓やかまぼこなどを作る食品会社から、廃棄物として出る有機汚泥を回収し、炭に加工する。炭は発電所や工場などに販売し、燃料として利用する。焼却や埋め立てなどの処分方法に比べ、二酸化炭素の排出量が少なくてすむという。
食品廃棄物を炭化し、燃料として再利用する施設は県内では珍しい。同社はこれまで、食品工場で出る有機汚泥を土質改良材などに加工してきた。より付加価値が高く、環境にも優しい炭に加工できる施設を建設することで、既存顧客との取引拡大や飲食店など新規顧客の獲得を目指す。
同社の取引先は大手食品会社など県内を中心に約600社あるという。2010年8月期の売上高は約9億円。
東部産業団地には県が大規模太陽光発電施設(メガソーラー)を建設する予定で、新潟特殊企業の進出で環境産業の集積へ期待が高まりそうだ。
2011年02月18日 日本経済新聞
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