東京都、民間病院の自家発電設置支援 今年度50カ所
東京都は電力不足や地震など自然災害時の停電に備えるため、都内の民間病院に自家発電装置の設置を促す。導入費用の一部を助成して、2011年度内に50カ所の民間病院に装置を置く方針だ。都立病院などは自家発電装置を備えているが、民間病院の中には装置を持たない例もあり、万一、停電が起きても緊急の医療が滞らないようにする。
2011年度の補正予算に約20億円を計上した。病院ごとの助成額は、病床数や電力使用量などに応じて決める。病院からの申請を受けて、早ければ今秋にも設置できるようになる見通しだ。
12年度も50カ所を対象に追加で設置を進める方針で、12年度当初予算での関連費用の計上に向け関係部署で調整する。
設置する自家発電装置の発電能力は病院によって異なるが、1病院当たりの助成額は数千万円程度になる見通し。災害時の救急医療の拠点と位置付けている70病院では、最低でも48時間は電力が自前で供給できる態勢を整える方針だ。70病院の中にも民間病院は多く、今回の助成を通じて災害対応に備えてもらう。
東京電力が計画停電の実施地域に指定している多摩地域は重点的に設置する可能性もある。
都は東日本大震災発生後、東京電力による計画停電の実施に備え、都内に約650ある全病院を対象に、自家発電装置の有無に関し緊急調査を実施した。その結果、約2割の病院は設備を持っていないことが分かった。
装置を持つ約8割の病院の中にも「3時間しかもたない」など不十分な例もあった。医療機器の先進化や電子カルテの普及で電力使用量が増え、現在の設備では手術などの際に電気が止まる懸念がある病院もあるという。
医療費抑制政策の影響で経営に余裕のある医療機関は少なく、全額自己負担での設備投資が難しい例もある。
併せて都は、老人ホームなど社会福祉施設への自家発電装置の導入も並行して進める。11年度補正予算では社会福祉施設向けに約11億円を計上した。老人ホームや介護施設、障害者施設などが対象となる。
2011年07月06日 日本経済新聞
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