株主総会集中日 東北の企業、震災の影響に理解求める
3月期決算企業の株主総会集中日となった29日、東北でも東北電力や七十七銀行など主要企業が総会を開いた。東日本大震災の被害で前期に赤字転落した企業もあり、経営者が株主に震災の影響について理解を求める場面が目立った。総会に出席する株主が前年より増えた企業も多く、株主の関心の高さがうかがえた。
東北電力が仙台市内で開いた株主総会には昨年より4割多い1299人の株主が出席した。東京電力の福島第1原子力発電所の事故を受けて、株主から原発の安全性などに関する質問が相次ぎ、総会は過去最長の4時間7分を費やした。父親が以前に東北電力に勤務していたという東京都在住の株主や、15年ぶりに総会に出席したという神奈川県の株主ら遠方からの参加者も目立った。
前期に上場以来初めて最終損益が赤字転落した七十七銀行の総会には昨年に比べ1割多い548人の株主が出席した。金融機能強化法に基づく公的資金の注入に備えて優先株を発行できるようにする定款変更など4議案が株主の賛成多数で承認された。氏家照彦頭取は「地域が震災から復興するために金融仲介機能を発揮するのが最優先の課題」と述べた。株主から質問はなかった。
同じく公的資金の活用を検討している仙台銀行でも優先株の発行を可能にする定款変更が承認された。株主からは就任から10年の三井精一頭取の続投に「リーダーシップを発揮して業績回復と復興支援に取り組んでほしい」との激励があった。24日に総会を開いた岩手銀行でも2人の株主から「地域の復興に岩手銀行は力を尽くしてほしい」という発言があった。
スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)を運営する常磐興産は東京都内で総会を開いた。当初はいわき市のホテルハワイアンズで開催する計画だったが、震災でホテルや温泉施設などに被害が発生したため、会場変更を余儀なくされた。総会には151人の株主が出席。今秋の営業再開後の安全対策や集客方法など5人が質問した。
3月期決算企業は総会を6月下旬に開くのが一般的だが、震災の影響で開催を延期している企業もある。東北の上場企業では東洋刃物が7月28日、ジー・テイストが同月29日、山大が8月30日に開催する予定だ。
2011年06月30日 日本経済新聞
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