国交省/中小に大手・中堅の技術・ノウハウ移転/振興基金に支援センター開設
国土交通省は、大手・中堅建設会社が保有する技術やノウハウを中小企業が活用できるようにするための支援スキームを構築する。各社から募集した技術をデータベース(DB)で一元管理し、技術の使用を希望する中小企業とのマッチングを行う。建設工事に関する基本的ノウハウを専門家が個別に助言するサービスも展開する。一連の支援業務を行う中核組織を建設業振興基金に設置する。
実施するのは「ノウハウ・技術移転支援事業」。大手・中堅企業が持つ競争力・付加価値の高い特許技術、工法、資機材などを、中小企業が積極的に取得・使用する環境整備を後押しするのが狙いだ。振興基金に置くのは「ノウハウ・技術支援センター」。支援サービスは28日に開始。DBに登録する技術は1カ月かけて募集し、8月1日からマッチング業務を行う予定だ。
技術使用のマッチング支援では、まず大手・中堅などから技術を募集し、専門の委員会の審査を経て登録技術を選定。技術は随時受け付け、DBを更新していく。技術登録をする企業に制限は設けず、中小企業も登録できる。DBはセンターがウェブ上で運営・管理。無料で技術登録、閲覧ができるようにする。登録された他社技術を利用したい企業からの相談・問い合わせを受けたセンターが技術情報を提供。登録技術の保有企業に取得・利用希望者を紹介。技術フィーや取得・使用条件などに関する交渉は当事者間で直接行ってもらう。センターは必要に応じて契約締結などの実務面の支援を担う。
このほか、建設工事に関する課題を抱える中小企業に対し、センターに所属する専門家(大手の現役・OB技術者など)が、入札から竣工までの各段階でのアドバイスを電話や電子メールを介して行う。提供するノウハウとして、▽入札時の積算・技術提案資料(総合評価対応)の作成▽受注・着工時の施工計画・管理全般(業者選定、資機材調達、実行予算)▽施工時の着工前検討会やトラブル発生時の技術的アドバイス▽竣工書類の作成(電子納品)-などを想定している。アドバイスは、1社当たり2種類の質問・相談まで無償で対応。それ以上の相談や、専門家の現地派遣を希望する際には費用負担を伴う場合もある。
2011年06月29日 日刊建築工業新聞
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