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東京都、中小企業のPCB処理支援 5年間で10億円助成

 東京都は都内の中小企業が持つ電気機器などに含まれる微量のポリ塩化ビフェニール(PCB)の処理費用を補助する制度を創設する。微量PCBを含む絶縁油を使う機器は通常の産業廃棄物として捨てられず、不法投棄を誘発するなどの恐れがある。都は事業者の負担を軽減し、こうした機器の適切な処理を後押しする。5年間で約10億円を助成する計画だ。

 対象機器は、中小企業の工場やオフィスビルなどにある変圧器やコンデンサーなど。都の推計では、PCBを微量含む絶縁油を使う機器は都内に10万台程度ある。このうち中小企業では1万4千台に上る。これらの機器は使用中のものが多いとみられるが、国が認定する施設での処理が必要で、耐用年数を迎えても一般の廃棄物のように捨てられない。

 都は、廃棄できない機器の保管が長引けば「古くなった機器からPCBを含む絶縁油が漏れたり、不法投棄につながるなどの恐れがある」(環境局)と判断。PCBを含まない絶縁油を処理する場合と比べて割高になった金額のうち、2分の1を補助することで、認定施設への持ち込みを後押しする。都の試算では、変圧器2台を処理する場合の補助額は15万円程度という。

 申請窓口は都の外郭団体の都環境整備公社が担う。都は2011年度予算案に、微量PCBを処理する基金に充当する費用として10億1500万円を計上。同基金を取り崩して補助する。補助期間は11~15年度の5年間とする。

 PCBは電気を通しにくい性質から電気機器に使う絶縁油として普及したが、毒性が強く有害なことから、国内では1970年代に製造が中止された。その後、絶縁油の再処理過程で微量のPCBが混入する機器が存在することが発覚した。

 国内には微量PCBを含む電気機器が120万台あるとされる。PCB廃棄物適正処理推進特別措置法は2016年までにPCBを含む機器を処理するよう義務付けており、各地の自治体も中小企業の適正な処理を促す仕組みづくりを迫られそうだ。

2011年02月17日 日本経済新聞

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