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国交省/被災企業向けホットライン運用状況/2カ月に41件、経営存続で相談

 国土交通省は、東日本大震災で被災し、事業継続が困難な建設会社の経営を支援するため4月に建設業振興基金に設置したホットラインで受け付けた相談の件数や相談内容をまとめた。開設から2カ月が経過した6月20日時点で41件の相談が寄せられ、資金繰りに関する相談が3分の1程度を占めた。厳しい経営環境下でも被災地復旧のために経営を立て直そうとする企業が少なくないことが分かったという。

 相談内容の内訳は、「資金繰り」が13件、「他地域からの復旧への参加」が6件、「被災した工事への対応」が5件、「行政対応への苦情」が3件、「建設業への就労」と「今後の事業継続」が2件ずつ、「建設工事に関わる紛争」と「原発事故関係」が1件ずつ、その他が8件。ホットラインではこれらの相談に対し、政府系金融機関の融資制度や信用保証制度、雇用調整助成金を紹介するなどの対応を取っている。

 宮城県の東松島市や石巻市などの建設会社から、資金繰りに関し、「社屋と作業者が被災し、今後の事業展開での資金繰りや仮設事務所などの手当てをアドバイスしてほしい」「現場が冠水し、工事がストップした。社屋も被災し、社員に休業手当てを支給中だが、今後の資金繰りを相談したい」といった声が寄せられた。さらに、「震災前に受注した太陽光発電工事で資材を仕入れた時点で震災が発生し、施主が施工をためらっている。契約解除となった場合、施主に資材経費を請求できるか」といった具体的な相談もあったという。このほか、仙台市の建設会社からは「原発避難区域の工事で2次下請をやっているが、現場に残した機械の回収方法を教えてほしい」との切実な相談もあった。

 ホットラインでは各相談に助言・指導を実施。より専門的な対応が必要な場合には、公認会計士や中小企業診断士などのアドバイザーを派遣し、きめ細かく支援している。41件のうち、アドバイザーの派遣は15件に上っているという。国交省は被災企業向けに優先的に支援を行うため、何回でも相談が可能な専用ホットラインを4月18日に建設業振興基金に開設した。

2011年06月22日 日刊建築工業新聞

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