静岡銀、医療・介護融資を強化 担当者増、開業など支援
静岡銀行は医療・介護分野への融資を強化する。今年度、行内の担当者を9人に増員したほか、診療科ごとの営業マニュアルを作成、病院・介護施設などの新規開業や事業拡大に伴う資金繰りニーズをきめ細かく掘り起こす。静岡銀は医師不足が深刻な県内では今後、病院などの新規開業や増改築が見込まれるとして、環境・エネルギーなどと並ぶ成長分野に位置付ける。
医療・介護分野は主に本部の2人と、県東部・中部・西部の3カ所に設けた営業店支援の拠点にいる4人で担当していた。今年度からは拠点に「新規法人医療・介護担当」3人を新たに配置、9人体制にした。
拠点に配置した7人は既に静岡銀と取引がある医療・介護関係者の新規開業支援と、新規取引先開拓を分担する。病院経営コンサルティング会社などと連携、情報提供を受けながら医療・介護分野の資金需要を幅広くカバーする。
また、内科、外科、歯科などの診療科別に営業マニュアルを作成する。診療科ごとの開業状況や設備内容などの情報をもとに、効率的な営業方法をまとめる。営業店の若手行員らにも勉強会などで周知し、取引先開拓を進める。
支援方法も変更する。従来は取引先が作成した事業計画を評価し、融資の可否を判断するケースが多かった。今後は取引先の事業計画作成に協力しながら、新規事業参入を支援する。県内の診療所数が少ない地域などの情報がわかる「診療圏調査ソフト」を活用し、新規開業を検討中の医療関係者に開業場所の選定に役立ててもらう。
静岡銀の2011年3月末時点の医療・介護分野向け融資残高は1190億円で、08年3月末比で約14%増加した。今年度始まった新中期経営計画で融資の重点分野の1つに位置付けており、今年度は推進体制の充実で300億円の新規融資実行を目標にする。
厚生労働省の調査によると、静岡県の人口10万人当たりの医療施設に従事する医師数は47都道府県中42位(08年末)。県が医師不足解消策を講じていることもあり、病院・診療所、介護施設の新規開業などの増加が見込まれる。
2011年06月22日 日本経済新聞
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