被災中小企業に制度融資や工場貸し出し、都内自治体
東日本大震災で直接被災したり取引先の被害で業績が悪化したりした中小企業に、東京都内の自治体が施設の無料貸し出しや緊急融資を相次ぎ実施する。葛飾区や板橋区は震災で建物が被害を受けた東北地方などの中小企業に貸工場を1年無償で提供する。大田区などは取引先の被災などで影響を受けた都内企業に新たな融資を始め、経営を支援する。
葛飾区は貸工場施設「東四つ木工場ビル」で空いている計4室(62~85平方メートル)を今月から、東北などで直接被災した中小製造業に1年間無料で貸し出す。入居は原則3年間で、2年目以降は賃料を最大半額まで軽減する。
区の所有物件で鉄筋コンクリート造りの4階建て。大量の化学薬品や水、都市ガスを使う業種などは入居できない。申し込みには罹災(りさい)証明などが必要で、月末まで受け付ける。
板橋区も貸工場施設の計4室(102~137平方メートル)を、宮城や千葉など震災被害の大きかった6県の中小企業に1年間無償で提供する。申込期限は7月下旬。1年後も「状況に応じて延長を検討する」(担当者)という。
都も中小企業の東京進出を支援する港区内の貸事務所の12区画を、来年3月末まで被災企業に無料で貸し出す。
一方、震災の影響を受けた都内企業の資金繰りを支援する制度融資も相次ぐ。被災地に事業拠点を持つ企業が製造業だけで150以上ある大田区では、利子を全額補給する緊急融資制度を新設した。自社が被災したケースだけでなく取引先の被災など間接被害も対象で、運転資金や設備資金として1000万円を限度に貸し出す。融資期間は7年以内。
墨田区や板橋区も全額利子補給を行う制度融資を創設。世田谷区は既存の融資制度の対象を6月から震災の影響を受けた企業に拡大、葛飾区も融資要件を緩和した。
都も利率が1.5~2.0%以内で、信用保証料の半額を補助する緊急融資(限度額2億8千万円)を新設している。
2011年06月15日 日本経済新聞
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