埼玉県、被災企業に1%切る低利融資 6月補正案
埼玉県が東日本大震災で収益が悪化するなどの影響を受けた企業を対象に、運転・設備資金を年1%を切る低金利で貸し付ける制度融資を設けることが8日、分かった。6月補正予算案に盛り込む。国が震災対応で創設した保証制度を活用し、保証料率も0.7%台と低く設定する。県内では震災の影響で疲弊している中小企業も多く、これまでに例のない低利で融資することで県経済の下支えを図る。
融資枠は全体で約700億円となる見通し。設備資金、運転資金として、それぞれ5000万円を上限に貸し出す。融資期間は設備資金が10年以内、運転資金が7年以内となる。
金利は年1%を切る見通しで1年以上の長期貸付としては県の制度融資で最低水準。金融機関を通じて貸し出し、通常の金利との差額分を県が補助する。下旬に開会する6月議会に提出する補正予算案に差額分として約20億円を盛り込む。
同制度融資では国が中小企業向けに創設した保証制度「東日本大震災復興緊急保証」を活用し、信用保証料率も0.7%台と低く抑える。融資の利用には同緊急保証の要件を満たす必要があり、事業所が直接被災した県内企業に加え、取引先の被災で震災後3カ月の売上高が10%以上減少した企業、風評被害により15%以上減少した企業などが対象となる。
県は先月、国の緊急保証を活用した制度融資「経営安定資金 震災緊急貸付」を導入。利率は固定金利で年1.3%以内、信用保証料は年0.8%以内に設定している。ただ、利用はまだ数件にとどまっており、受注や売り上げの減少など震災の余波に苦しんでいる企業は他にも多い。
県は同様の内容で金利や保証料を引き下げる独自の融資制度を整備し、県内中小企業の支援をてこ入れする。信用保証料も貸倒時の負担を県が一部引き受けることで、保証料も既存の制度融資より引き下げる。
2011年06月09日 日本経済新聞
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