ホテル・旅館の倒産、震災と原発で過去最悪ペース
民間調査会社の東京商工リサーチが8日まとめた「1~5月の宿泊業の倒産」によると、ホテルや旅館などの倒産件数は1~5月が前年同期比56.5%増の72件に達した。個人消費の低迷が続くなか、東日本大震災や東京電力福島第1原子力発電所の事故を背景とした、消費自粛などが影響した。現在のペースが続けば、2001年以降では最多だった08年(145件)を上回る可能性がある。
負債総額は同65.5%増の628億1300万円。負債10億円以上の大型倒産が増えたことが背景にある。地区別では中部が18件、関東が15件、近畿と九州がそれぞれ9件と全国に広がっている。東日本大震災による直接被害や自粛による影響を含めた「震災関連」は12件だった。
同社は5月に全国の主要な温泉旅館とホテルの109社を対象に「東日本大震災の影響に関するアンケート」調査を実施。夏の宿泊客見込みについて「前年より減少」か「わからない」との回答が全体の7割を占めた。同社では「震災による消費の自粛や電力問題が長引けば、宿泊業の倒産が加速する可能性が高まっている」とみている。
帝国データバンクが同日まとめた「ホテル・旅館の倒産動向調査」によると、1~5月の倒産件数は68件。4月(16件)と5月(20件)は2000年以降では単月の過去最高を更新。2000年以降で最も多かった08年の123件を上回る過去最高のペースで増えている。
2011年06月08日 日本経済新聞
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