５月企業倒産、22カ月ぶり増加 震災響く
民間調査会社の東京商工リサーチが８日発表した５月の企業倒産件数（負債総額1000万円以上、銀行取引停止処分なども含む）は、前年同月比4.9％増の1071件だった。22カ月ぶりに前年同月を上回った。リーマン・ショック後に導入された景気対策など政策効果が一巡したほか、東日本大震災に関連した倒産が増えつつあることが背景にある。
負債総額は23.7％減の2526億7400万円。５月としては過去20年間で最少となった。負債総額が10億円以上の大型倒産が38件と前年同月（44件）より少なく、中小・零細企業の倒産が多かった。業種別では、宿泊業や飲食業の増加が目立っており、消費の自粛による影響が出ている。
３月11日に発生した東日本大震災を受けた「震災関連」での倒産は５月が64件。６月７日までの震災関連の経営破綻は累計が156件に達した。1995年１月に発生した阪神大震災から１年間で倒産した件数（144件）をすでに上回っている。
商工リサーチは今後の見通しについて「電力問題が不透明なうえ、萎縮した消費の顕在化には時間がかかり、秋ごろまでは緩やかな増勢をたどる可能性がある」とみている。
2011年06月08日 日本経済新聞
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