四国の中小向け融資、条件変更9割 財務局3月末調べ
四国財務局がまとめた四国管内の金融機関による中小企業金融円滑化法への対応状況によると、地方銀行や信用金庫など21金融機関が3月末までに実行した条件変更金額は1兆5392億円だった。申込金額に占める比率(実行率)は91%だった。実行率は中小企業向けが9割を超えたが、住宅ローンなど個人向けは67%にとどまった。
リーマン・ショックへの対応から2009年12月に施行した円滑化法は、借り主の返済期間の延長など条件を変更しやすくした。
調査対象は8地銀、10信金、3信用組合の計21金融機関。全体の実行件数は5万9530件で、実行率は89%だった。
中小企業向けの実行金額は1兆4964億円で実行率は92%。銀行、信金などすべての分類で9割程度を確保した。件数も5万6096件、実行率は91%と高かった。
一方、住宅ローンが対象となる個人向けの実行金額は427億円、実行率で67%だった。特に第二地方銀行(4行)が119億円(55%)、信用組合が5億円(57%)と低かった。謝絶(77億円)や取り下げ(105億円)が大きかった。変更の必要性など中小企業に比べ審査が煩雑なことが影響したとみられる。
中小企業向けで、金融機関が条件変更の申し込みを謝絶した理由については、申込日から3カ月間が経過して自動的に謝絶と見なされる割合が件数ベースで70%と最も多かったが、金融機関が「事業の改善や再生の可能性が低い」と判断したケースも17%含んでいた。
円滑化法施行直後の昨年3月末と比べ、実行件数は1万2935件から4倍強に増えている。条件変更によって企業倒産を抑制する効果が出ているものの、「制度がなくなると、急激に不良債権が増えかねない」(地銀)との警戒感も強い。
2011年06月08日 日本経済新聞
最適な税理士が見つかる!
T-SHIEN税理士マッチング
依頼したい税理士業務と希望金額を入力し、匿名で全国の税理士事務所から見積を集めることができるシステムです。送られてきた見積の中から、最適な税理士を選ぶことができます。