M&A復調2.7兆円 海外に活路、資金増で過去最高
東日本大震災の影響で、一時停滞していた日本企業によるM&A(企業の合併・買収)の勢いが戻ってきた。中でも1~5月末の日本企業による外国企業の買収は2・7兆円を超え、同じ時期としては比較可能な平成12年以降で最高だ。手元資金に余裕ができ、海外市場への進出意欲も旺盛なためで、市場関係者は今後も増えるとみている。
米調査会社トムソン・ロイターの調べによると、1~5月末に日本企業が関わったM&Aは1015件で、買収額は5兆3453億円。金額では昨年の同じ時期に比べ44%増えた。このうち日本企業による外国企業の買収額は2兆7247億円で、件数の250件とともに12年以降では最大だ。年明け以降、景気回復を背景に増加し、震災の影響でいったんは縮小したが、4月中旬以降、再び活発化した。
個別には5月19日に武田薬品工業が発表したスイスの製薬大手ナイコメッド社の買収で約1兆1200億円と群を抜く。東芝が発表した次世代送電網関連企業、ランディス・ギア社(スイス)の買収も約1863億円と大型だった。
この時期に再び拡大しているのはM&Aの原動力となる日本企業の手元資金が積み上がったためだ。震災で一時的に投資を抑制したり、社債の発行や新規の借り入れをしたりして「かなり積み上がっている」(銀行系証券)といわれる。野村総合研究所の中神貴之アライアンス推進グループマネージャーも「競争の激しい製造業を中心に、需要の旺盛な海外に活路を見いだす決断をする企業が増える」とみており、相手先企業を探す動きが活発化しそうだ。
2011年06月06日 産経ニュース
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