全宿泊施設「客が減った」大震災で秋田県内の企業
東日本大震災による秋田県内企業への影響をまとめた県の緊急企業実態調査で、回答した製造業の約6割が取引先などの被災で生産に影響が出たとし、宿泊業のすべてで客が減ったと答えていたことがわかった。
県産業労働部が4月4~28日、県内の主要企業315社から聞き取った(複数回答可)。回答企業数は業種別に、製造185、宿泊37、卸・小売37、サービス24、運輸16、建設16社。
製造業に生産活動への影響を尋ねたところ、取引先の被災による資材の供給量減や、資材の調達先変更でコストが増えるなど、影響が出たとする企業が57%に上った。また、45%が物流の停滞で資材の納入が遅れたり、輸送ルートの変更で運送コストが増えたりしたと答えた。39%が、電力消費の制限による「操業度」の低下や、今後懸念される電力供給不足への不安を挙げた。
宿泊業は全施設で客が減ったとし、新幹線の運休やガソリン不足、原発問題への不安などの理由で宿泊客のキャンセルが相次いだ事例が寄せられた。同様の理由で、観光施設を中心とするサービス業でも、7割が「来客が減っている」と答えた。
今回の調査では、企業側から、「計画停電や電力制限について早めに情報提供してほしい」「融資制度を充実させてほしい」「秋田の安全性をPRしてほしい」など行政側への要望が出された。
県は、製造業の企業が発電設備を設置する費用の一部を助成する事業や、関西・中京圏の企業との商談会実施など、一部の要望を反映させた補正予算案を5月の県議会臨時会に提出して可決された。県産業労働部は「今回反映できなかった要望も、今後の施策に生かせるよう検討したい」としている。
2011年06月06日 読売新聞
最適な税理士が見つかる!
T-SHIEN税理士マッチング
依頼したい税理士業務と希望金額を入力し、匿名で全国の税理士事務所から見積を集めることができるシステムです。送られてきた見積の中から、最適な税理士を選ぶことができます。