河内山工業、食品企業へヒートポンプ販売強化
設備工事の河内山工業(宇都宮市、河内山章社長)は食品加工業向け製品を強化する。加工時に出る温排水を利用して温水と冷水を同時に作るヒートポンプ・システムや従来より価格を3割程度抑えた配管を4月から販売する。栃木県が食品関連産業を振興する「フードバレーとちぎ」構想を進めており、設備需要も伸びると判断した。ヒートポンプ・システムだけで年間約1億円の売り上げを目指す。
ヒートポンプはコンプレッサーで圧縮した冷媒を水や空気と接触させるなどして熱をやりとりして効率的に冷温水を生み出す。同社は食品加工業者が調理機器を殺菌したり食品をゆでたりしたときに出る温排水を利用するシステムを開発した。
排水の熱で水を温めて温水を作ると同時に、熱が吸収されて温度が下がった排水も活用、熱交換器で水を冷まして作った冷水も同時に供給できるようにした。食品加工では温水と冷水が共に必要な場合が多く、需要があると判断。ヒートポンプそのものは他社の製品を使い、同時に冷水を作るシステムや配管などは自社で手がけた。
改正省エネ法の施行で省エネへの取り組みが求められているが、新製品は電熱ヒーターなどで温水を作る場合に比べ電気や石油などエネルギー使用量を3割程度減らせるという。まずは県内の食品加工業者などに販売する。価格は1台500万円程度になる見通し。
食品加工ラインで使う「サニタリー配管」の新製品も4月に発売する。サニタリー配管は食品を運ぶステンレス製のパイプ。衛生上、頻繁に洗浄する必要があるため、簡単に分解・組み立てができるような形状をしている。通常は溶接で製造するが、パイプを曲げるなどで従来より溶接箇所を削減。製造コストを3割程度減らした。
河内山工業は1969年の設立。原料タンクなど工場設備を製造し、栃木県庁の空調設備を手がけた実績もある。2010年6月期の売上高は約7億円で、そのうち食品加工業向けは5000万~6000万円程度という。
2011年02月16日 日本経済新聞
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