シックハウス予防へ漆喰の住宅、低価格で 松山の企業
建設会社のジョー・コーポレーション(松山市、中岡大起社長)はシックハウス症候群の原因とされる化学物質の使用量を抑えた住宅を投入する。内壁の仕上げ材として、壁紙の代わりに自然素材の漆喰(しっくい)を使い、接着剤を使わない無垢(むく)材の採用率も高めた。2009年に民事再生手続きを申し立てた同社が経営再建の柱とする低価格戸建て住宅の主力商品に位置付ける。
「漆喰の家」の名称で売り出す。施工面積は93~116平方メートル。価格は内壁(天井を含む)を漆喰にする標準型が1155万円、外壁を含めて漆喰を使うタイプが1260万円。年100棟の受注を目指す。
漆喰は一般に吸湿・放湿性に優れ、汚れを簡単に落とせるなどの特徴がある。同社は市販の漆喰に独自の改良を加えて工期を短縮して、内外壁の仕上げにかかるコストを半減。間取りなど規格化した設計を活用するなどして、漆喰を使った住宅では低価格を実現した。
床材には接着剤を必要としない無垢材を使用。階段、木製建具など、その他の材木については、化学物質の含有量が微量で法定基準値内の集成材などを使う。自然素材の漆喰、無垢材の使用による健康志向をアピール。初めて住宅を購入する30歳代を中心とした若年層を中心に需要を開拓する。
同社はマンション販売の低迷などにより、2009年に松山地裁に民事再生法適用を申請し、経営再建中。同年に低価格住宅の千金堂(東京・渋谷)にフランチャイズチェーン(FC)加盟し、1000万円台の住宅の販売を重点的に強化しており、昨年は販売地域を徳島を除く四国3県から広島、岡山両県に拡大。今後は住宅のリフォーム事業にも力を入れる方針。10年12月期の売上高は36億円。12年12月期に50億円、13年12月期に60億円に引き上げる目標を掲げる。
2011年05月27日 日本経済新聞
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