鳥越製粉、ゆで不要のベーグル粉開発　ベーカリーに販売

　鳥越製粉はベーグル向けの業務用ミックス粉を開発した。でんぷんを加えることで、生地をゆでる工程を省略、蒸気オーブンで焼き上げるだけでベーグルを作ることができる。ゆで工程のための専用設備が不要となることから、中小のベーカリーなどの需要を見込む。初年度の売上高として１億円を目指す。

　ベーグルは通常、バターや卵、牛乳を使わずに小麦粉だけで生地を練り上げ、ゆでて水分を含ませた後に焼き上げる。ほかのパンとは異なり、ゆで工程が必要なため、一般のベーカリーがベーグルに参入するには専用設備の導入が必要だった。

　新開発のベーグル向けミックス粉は、小麦粉にトウモロコシやタピオカなどから取れた複数のでんぷんを配合。生地の吸水率を高めたことで、蒸気オーブンを使って焼き上げるだけでベーグルを作ることができる。

　新製品を使えば、フランスパンなど、一般のパンを焼き上げるのに使う蒸気オーブンでベーグルを作ることができるため、同社は中小のベーカリーの需要が期待できると見込んでいる。

　鳥越製粉はドーナツのコーティング向けに、でんぷんやゲル化剤を配合、ゼリーのような食感を実現したミックス粉を２月末に発売したばかり。国際的な小麦価格の高騰で小麦粉部門の採算が悪化していることを背景に、高付加価値で市場変動に強いミックス粉の品ぞろえの強化を進めている。

　同社のミックス粉の売上高は2010年12月期で約60億円と連結売上高の30％程度を占める。ミックス粉の拡販で、売上高に占める割合を２、３年後をめどに35％程度に引き上げる考えだ。

2011年05月26日 日本経済新聞