脱原発、広がるメガソーラーの輪 孫社長「赤字にならないよう運営する」
ソフトバンクの孫正義社長が25日、自治体と協力して「自然エネルギー協議会」を設立し、大規模太陽光発電所(メガソーラー)を全国に設置する方針を発表した。通信事業者と地方が手を組んだ異色のタッグで、脱原発に向けた取り組みを加速したい考えだ。
■土地と資金で利害一致
孫社長は4月下旬の会見で、福島第1原発の事故を受け「原発がどんな危険な状態で運営されているのかは意識の外だった。この1カ月間、悩んで考え込んで必死で勉強した」と話した。新エネルギーを推進するしかないという結論に達すると、それからの行動は速かった。
「圧倒的なスピード感で太陽光発電を広めたい」。協議会の設立会見では神奈川県の黒岩祐治知事(56)が力を込めた。原発事故の後、各都道府県でも太陽光発電や地熱発電など、独自に自然エネルギーの推進策を打ち出していた。そこに太陽光発電を自ら手掛けることにした孫社長が協力を打診し、両者の利害は一致。自治体が土地を提供し、ソフトバンクが資金、技術、運営面の大半を引き受けるという形で話が進んだ。
■「全量買い取り制度」懸案
孫社長が事業の前提として訴えるのが、自然エネルギーで発電した電力の「全量買い取り制度」だ。いくら太陽光で発電しても、安定した価格で電力会社が買い取らないと事業として成り立たなくなるからだ。
政府は全量買い取りを盛り込んだ法案を既に今国会に提出している。2012年度からの制度導入を目指しているが、東日本大震災の影響で遅れる可能性もある。
ソフトバンクの動きについて、ある電力会社の幹部は「各地でメガソーラーを手掛けている事業者と同様に、申し出があれば淡々と買い取るだけだ」と冷めた見方を示した。買い取り費用は電気代に上乗せされるため、国民の理解も必要となりそうだ。
孫社長は25日の会見で「社会貢献をしたいが、赤字にならないように運営する」と述べた。後続の事業者が出てこないと太陽光発電が普及しないという思いから、一定の黒字を確保して事業として成り立つビジネスモデルを確立したい意向だ。
2011年05月26日 CNN
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