国交省/つり天井の技術指針見直しも/震災での落下被害受け、緊急対応策検討
大畠章宏国土交通相は24日の閣議後の記者会見で、東日本大震災で公共施設などのつり下げ式の天井が落下する事故が各地で発生したのを受け、施工方法などを定めたガイドラインについて妥当性を検証する方針を明らかにした。毎年度実施する建築基準整備促進事業の調査テーマに選び、ガイドラインの見直しも視野に安全基準を検証。今夏をめどに緊急対応策をまとめる考えだ。
今回の震災では、つり天井が落下する例が東北、関東地方の施設で発生。東京都千代田区の九段会館では死傷者が出たほか、川崎市ミューザ川崎シンフォニーホールで天井板や鉄骨が落下。茨城県小美玉市の茨城空港ターミナルビルも天井の一部が崩落した。特につり天井を採用することが多い学校の体育館などでは相当の被害が出ているとみられている。
国交省は、01年の芸予地震でつり天井の落下事故が起きたのを受け、建築基準法の施行令に、地震などの振動で天井を含む内外装材などが脱落しないようにしなければならないと明記。つり天井を施工する際は、壁と天井に十分な隙間を設けることや、天井をつるす部材同士を補強材でつなぐことなどを柱とした技術ガイドラインを02年に作成した。ただ、ガイドラインに強制力はなく、大畠国交相は「規制を強化すべきなのかを含め検討したい」と述べた。
今後、今回の震災による被害情報を収集。安全対策を強化するべき建物の規模・用途、天井の種類、具体的な落下防止方法などを検討。緊急対策は今夏、本格対策は11年度中にまとめる。
2011年05月25日 日刊建築工業新聞
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