大震災の影響、北海道大調査
東日本大震災の発生で、3月の北海道内観光業者の売上高が、震災前の見込みの7割弱に落ち込んだことが、北海道大学が実施した緊急調査で判明した。
2011年度第1四半期(4~6月)も、当初見通しの25%減になりそうだという。
4月中下旬に、道内の宿泊観光、運輸、土産物販売業者など観光事業者480社と、道内外の一般消費者1000人に調査を実施。その結果、3月の売上高は、当初見通しに比べ、土産物販売関係が61・3%、観光レジャー施設が63・3%で、比較的落ち込み幅の少ない運輸業も73・4%となり、全体では68・1%にとどまった。第1四半期の見込みも、前年同期比で75・4%と想定されている。
震災後に宿泊やバスなどのキャンセルを経験した事業者は92・8%に上り、その理由は「被災地への配慮」(51・6%)、「消費マインドの萎縮」(45・3%)が上位に並んだ。
一方、消費者調査ではキャンセル理由は、「交通機関の欠航・運休」(48・4%)が最も多く、「観光地のイベント開催中止」も23・7%に上っており、自粛ムードより、外的要因が主因だったという。
「国内旅行に行きたい」という消費者は62・6%を占め、調査した宮部潤一郎・同大大学院メディア・コミュニケーション研究院教授は、「肯定的な回答が想定以上に多い」と語る。
ただ、消費者心理には地域差もあり、関東甲信越地方の消費者は「震災後は観光を控えている」と回答した人の割合が、他の地域よりも高かった。
宮部教授は「観光に与える影響は、第1次石油危機の時を上回る過去最悪レベルだが、消費者心理には地域差もある。一段ときめ細かい市場調査を展開する必要がある」と話している。
2011年05月23日 読売新聞
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