国交省/被災地建設業の資金繰り支援拡充/債権保全事業の対象追加、低利融資も
国土交通省は、東日本大震災の被災地域で復旧・復興を担う建設会社の資金繰り支援策を強化する。下請業者の元請向け債権の支払い保証を支援する「下請債権保全支援事業」の対象に災害廃棄物の撤去等(がれき処理など)を追加。被災地の工事とがれき処理については債権の買い取りも加える。公共工事などの請負代金債権を担保に低利融資を受けられる「地域建設業経営強化融資制度」の融資対象にもがれき処理を追加する。国交省は、これらの支援策の拡充を19日付で都道府県・政令市などに通知した。6月1日から施行する。
下請債権保全支援事業は、下請業者や資材業者が元請業者に対して持つ手形や売掛債権について、ファクタリング(売掛債権買い取り)会社が支払い保証をする際に国が保証料を助成。元請が倒産した場合は基金を利用して損失を補償し、ファクタリング会社の保証リスクを軽減する。10年3月に事業を開始した。拡充策では、この事業を利用できる下請債権として被災地のがれき処理にかかわる債権を追加。さらに債権の支払い保証という従来のスキームに加え、新たに被災地域で行う工事とがれき処理にかかわる債権について買い取りの仕組みも取り入れる。
買い取り対象は被災地域に営業所を置く下請業者の債権と、被災地で工事とがれき処理を元請企業から請け負う下請業者の債権。下請業者が債権をファクタリング会社に譲渡して期日前に現金化できるようにすることで資金繰りの円滑化を図る。当面は12年3月31日までに買い取られた債権を対象とする。
地域建設業経営強化融資制度は、建設業者が、施工中の公共工事の請負代金債権を事業協同組合などに譲渡し、これを利用した転貸融資や直接融資を受けられるようにする仕組み。今回の被災地向け拡充では、担保対象を工事だけでなく、がれき処理にも広げる。これらの拡充策は、東日本大震災で災害救助法が適用された市町村区域(東京都を除く)で行われる工事とがれき処理が対象となる。
2011年05月23日 日刊建築工業新聞
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