やはり無理あった?…ドライブスルー書店閉店へ
車に乗ったまま買い物ができる書店として日本初のドライブスルーを設置した東京都町田市の久美堂旭町店が、今月末で閉店する。
一世を風靡(ふうび)した店舗の閉店に、地元では惜しむ声があがっている。同店では閉店セールとして、店内の文具全品を2割引きで販売している。
郊外型の同店は、1987年のオープン。店舗前に設置されたマイクで希望の雑誌や本を伝え、車に乗ったままレジまで進んで購入する仕組みで、手軽さだけでなく、障害者も利用しやすいようにと、考案された。当時、書店でのドライブスルーは、マスコミや他書店の注目を集め、米国メディアCNNが取材に訪れたこともあったという。
雨の日の利用や週刊誌、マンガの購入に使われることが多く、オープン当時は1日20~40台が来ていたが、インターネットで購入できる「ネット書店」の台頭など時代の流れも影響。最近は1日1~2台の利用に減っていた。借地契約が満了を迎え、店舗の老朽化も進んでいることから24年の歴史に幕を閉じることになった。
5年前にドライブスルーを利用した、同市森野の主婦(63)は「当時は斬新なアイデアだと思った。閉店は寂しいし、不便になる」と惜しんでいた。
久美堂では本町田店にもドライブスルーを設置しているが、こちらは営業を続ける。久美堂社長室長の井之上健浩さん(29)は「旭町店は役目を終えて定年を迎えた。本を買いやすくする創意工夫や挑戦は、これからも続けたい」と話している。
2011年05月20日 読売新聞
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