東日本企業からの情報バックアップ依頼急増 NTT西のデータセンター
東日本大震災を受け、NTT西日本が企業の情報を管理している関西のデータセンターに対し、東日本に拠点を持つ企業が自社情報のバックアップを依頼する動きが急増している。NTT西には通常の3~5倍の問い合わせがあり、情報の原本の預け先を同社データセンターに変更する動きも出ている。顧客や社員などの重要な企業情報を複数箇所で管理する必要性が震災で改めて認識されているためで、同社は平成28年度をめどにデータセンター事業の売り上げを現状の約1・5倍に拡充したい考えだ。
22年7月に開設されたNTT西のデータセンター(大阪市中央区)は、西日本の30府県に計39カ所あるセンターの中でも最新。延べ床面積約4千平方メートルのスペースで、預かった情報をサーバーなどで保管・維持している。停電に備えた自家発電装置や厳重なセキュリティー、免震装置などの機能が施されている。
震災以降、首都圏など東日本に拠点を置く企業から同センターに対し、情報のバックアップや移転の依頼が相次いでおり、「通常なら商談中の件数は数百件だが、現在はその3~5倍」(NTT西の田中守・クラウドビジネス部長)という。
問い合わせの約8割がバックアップに関するものだが、一瞬でもサービス停止が許されない医療機関や金融機関からは、保管データの更新を複数箇所で同時に行う「ミラーリング」の依頼も多いという。
また、首都圏などで夏に想定される電力不足に備え、他のデータセンター運営会社が、NTT西のサーバーを借りる形でセンター機能自体を関西に移す動きもある。
NTT西は、インターネットを通じてサービスを提供する「クラウドコンピューティング」に今年度から本格参入する方針で、企業・自治体の情報を管理するサービスメニューを3月に拡充したばかり。同社は「情報を移す作業は簡単な手間で済み、低コスト。震災で情報管理に振り向ける投資の優先順位が格段に上がり、バックアップや移転の依頼は今後も増える」とみている。
2011年05月13日 産経ニュース
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