官民で中小企業の節電支援 夏にらみ需要増す
夏の電力不足が予想されるなか、東京都内で中小企業の節電対策を支援する動きが相次いでいる。自治体が省エネルギー対策に詳しい専門家を派遣したり、コンサルタント会社が計画策定に助言したりする。政府は今夏、中小企業にも電力の前年比15%削減を求める方針で、ノウハウの乏しい企業からの需要は高まりそうだ。
東京都板橋区は区内の中小企業に無料で専門家を派遣する。区が委託した企業の社員で、まず事業所の電気使用状況、設備の稼働状況などを把握。そのうえで、仕事のしかたや設備の改善策を提案する。さらに再生エネルギーなどの導入を後押しする自治体の補助制度を紹介し、設備の変更をしやすくする。
一度の派遣だけでなく、継続的に支援する。最低でも月に1、2回訪問または電子メールで意見交換する。期間は6月~来年3月で、30社を対象にする。
東京都も中小企業に専門家を派遣し、電力の使用状況、設備の利用状況などを診断し、改善策を提案する。都によると、冷房の温度を1度上げると、空調が1割省エネになる。白熱電球を電球型の蛍光灯に変えると、消費電力が4分の1になるという。新宿区や豊島区も同様の専門家を派遣している。
民間企業では、MS&ADインシュアランスグループホールディングス傘下の危機管理コンサル、インターリスク総研(東京・千代田)が有料で中小企業支援をしている。コンサルタントを派遣し節電対策を提案するほか、停電になった場合の事業継続計画(BCP)の策定を後押しする。今夏までに100件程度の受注をめざす。
都内の中小企業など約2100社が加盟する東京中小企業家同友会(同・豊島)は中小企業向けの節電対策マニュアルを作成した。ネットから自由にダウンロードできる。数値を打ち込めば使用電力の把握と節電実施後の使用電力を計算できるフォームも用意。工程短縮など節電のコツや省エネ関係の各種助成制度なども紹介している。
ほか、巣鴨信用金庫は20日の午後6時から、中小企業のための節電対策をテーマに講演会を開く。定員は80人で参加無料。同信金ホームページから申し込める。
2011年05月12日 日本経済新聞
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