震災の緊急融資相談1800件 東京信用保証協、4月末
首都圏で東日本大震災の被災企業向けの緊急融資の相談が相次いでいる。4月末までの1都3県の信用保証協会への相談件数は2200件にのぼる。東北にある工場が倒壊したケースなどが目立つ。ただ、融資には被災した地域の自治体が発行する被災証明が必要。発行の遅れなどから申込・承諾件数は一部に限られている。
1都3県には東京、神奈川、埼玉、千葉、横浜、川崎の6保証協会があり、これらの件数を集計した。政府は3月中旬、震災で建物が倒壊するなど直接的な被害を受けた中小企業向けの融資制度を創設。東京都、千葉県、神奈川県、横浜市、川崎市が支援策を設けている。これらの制度を利用する企業に信用保証協会が保証する。
4月末までのこれらの6協会への相談件数は2200件。このうち東京信用保証協会へは1800件。
相談してきた企業は製造業や不動産業、飲食業が多い。「東北地方の工場が全壊し仕事が再開できない」(東京都内の製造業)、「アパートの壁が壊れ早急に修理しないと貸し出せない」(千葉県内の不動産業)といった内容が目立つ。
相談が多いため、各保証協会とも午後5時までの相談受け付けを午後7時までに延長、土日も窓口を開設して対応している。
ただ、1都3県の6保証協会が4月末までに保証承諾したのは、274件(47億円)にとどまる。審査に時間がかかるうえ、緊急融資には被災した施設のある自治体の被災証明が必要だが、地域によっては発行に時間がかかり、申し込みが遅れているという。また現行の緊急融資の対象にならない「自粛ムードの中で宴会の予約キャンセルが相次いだ」(埼玉県内の飲食店)といった間接的な被害の相談も多い。
政府は第1次補正予算の成立を踏まえ、中小企業の資金繰り支援策を拡充する。取引先が被災するなど間接的に被害を受けた中小企業も支援する。5月16日より相談を受け付ける。
これにより、消費自粛の影響で経営が悪化した飲食店や旅館などからの申し込みが増えると予想される。また「4月までに被害を受けた施設の後片付けが終わり、設備投資を考え始める企業が多い。5月以降に資金需要が増える可能性もある」(千葉県信用保証協会)との見方も出ている。
2011年05月10日 日本経済新聞
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