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国交省/企業連携フロンティア事業がスタート/地域建設業の生き残り支援

 生き残りをかけて新事業に取り組む中小・中堅建設会社を支援する国土交通省の新たな試みがスタートした。同業者や異業種企業と連携して展開する新事業に助成を行う「建設企業の連携によるフロンティア事業」の対象91件が決定。先月末に説明会が開かれ、これから各事業が具体化する。建設会社の新事業の成功例は決して多くはない。計画以上の成果を上げた事業には追加助成を行うという新たな仕組みを取り入れた今回のフロンティア事業。成功率は高まるか-。

 フロンティア事業は、地域の中小・中堅建設会社が同業者同士や異業種の企業と協力・連携し、地域の雇用創出を前提にして行う新事業を支援する制度で、1事業当たり1000万円を上限に国が助成金を支給する。4月24日に91件の事業が選ばれ、28日に東京都内で開かれた説明会には助成対象企業のほぼすべてが顔をそろえた。

 フロンティア事業には、その前身ともいえる助成事業がある。「建設業と地域の元気回復助成事業」だ。同事業はフロンティア事業と趣旨はよく似ているが、異なるのは異分野での新事業立ち上げを中心にしていた点。08~10年度に157事業の提案があったが、助成期間の中で事業の熟度を高め、経営基盤の強化につながるまでに育成できた事業は多くはなかった。このため、フロンティア事業では、維持管理、リフォーム、環境、耐震、PPP・PFI、CM、技術・ノウハウの販売など本業周辺分野での新事業立ち上げを中心に助成対象を選定。建設周辺分野の事業が4分の3を占めるのに対して、農業や林業、観光、介護などの異分野事業は4分の1にとどめている。

 もう一つの特徴が、企業のモチベーションを高めるために、成功する可能性が高い事業に対する追加助成の仕組みを取り入れたことだ。追加助成によって各事業を競わせ、早期の事業化につなげようという狙いがある。追加助成の対象事業は来年1月に決めるが、事業の熟度が高く、他社への波及効果も高い事業が選ばれる予定で、助成の上限は500万円程度になる見通しだ。成功した事業については、最終的に事業立ち上げに必要な経費や、収益が出るまでの手法などが広く公開されることになる。

2011年05月09日 日刊建築工業新聞

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