帝国データの景気動向指数、2カ月連続悪化 一部に回復の動きも
民間調査会社の帝国データバンクが9日発表した4月の景気動向調査によると、景気動向指数(DI)は前月比1.2ポイント低い30.4と2カ月連続で悪化した。東日本大震災後に相次いだ余震や福島第1原子力発電所の事故の影響で、家計や企業のマインドが下押しされている。サプライチェーンの混乱が生産活動の回復を妨げているうえ、日本製品の取引を避ける動きが拡大。原材料高もあり、企業の収益性低下につながっているとした。一方で、生活必需品を中心に回復の動きも出つつある。
業種別でみると、全10業種のうち、「農・林・水産」と「小売」を除く8業種が悪化した。「サービス」では、旅館・ホテルの落ち込みが激しく前月比5.2ポイント低い10.1となり、過去最低を更新した。一方、2カ月ぶりに改善した「小売」は飲食料品など生活必需品の需要の底堅さが寄与した。
地域別では、全10地域が2カ月連続で悪化した。東北は23.5と前月比0.5ポイント低下し、2010年1月(22.7)以来の低水準となった。南関東は0.5ポイント低下し31.0。3月には調査開始以来初めて全国平均を下回ったが、計画停電の混乱解消などで4月は再び全国平均を上回った。
先行きの景気予測DIは1カ月後に1.5ポイントの改善、3カ月後は2.6ポイントの改善、6カ月後は3.9ポイントの改善を見込んでいる。帝国データバンクは「余震や原発事故など不透明要因を抱えながらも、緩やかな回復基調を取り戻す」としている。
調査は4月18~30日にインターネットを通じて全国2万2240社を対象に実施。有効回答は1万769社、回答率は48.4%だった。
2011年05月09日 日本経済新聞
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