“震災ショック”に注目の15社決算「2割程度の減益なら割安感」
いよいよ3月期決算企業の決算発表が本格化する。市場参加者の注目は「東日本大震災が業績にどれほど影響を与えるのか」(投信ファンドマネジャー)という点だ。今週発表される企業のうち、内容や今後の業績見通しが注目される15社(別表)をピックアップしてみた。
3月の経済指標では、国内新車販売台数や景気ウォッチャー調査、消費者態度指数などが過去最大の落ち込みを記録し、震災が経済に与える影響の大きさがうかがえた。
個別企業への影響も甚大と考えられるが、「どれほどのものかが測れないので売りも買いも難しい」(市場関係者)という状態が続いている。
こうした意味でも決算発表では、前期(2011年3月期)の数字以上に、今期(12年3月期)の業績見通しが重要視される。参考になるのが、ひと足先に発表した2月期決算企業の今期(12年2月期)見通しだが、これを見ると「影響は限定的」(同)との声もある。
大手百貨店は大幅な減収減益を余儀なくされる一方、イオンやセブン&アイ・ホールディングス、ローソンなどのスーパー、コンビニは特損計上で最終減益はやむ無しのようだが、営業利益は微増になるとの見通しだ。
ユニクロを展開するファーストリテイリングの中間決算では、海外展開が奏功して通期の営業利益を上方修正した。「3月決算企業も同様の結果であれば、これ以上の心配は杞憂」(大手証券アナリスト)という。
今週以降、鉄鋼や電機、証券、不動産、通信などの主力企業が続くが、業種別では「恐らく内需が不振で輸出関連が好調という、いつもながらの光景がより鮮明になる」(銀行系投資顧問)と考えられている。
震災の影響で例年より決算発表が遅れる傾向にあり、全体像が見えてくるのはゴールデンウイーク明け。このころには市場への影響が大きい米雇用統計も発表されており、外国人投資家が動きやすくなっている可能性がある。
「前年比で2割程度の減益ならば、日本株は割安感が残っている」(外資系証券)との判断もあり、投資家は業績見通しを固唾をのんで見守ることになりそうだ。
2011年04月26日 ZAKZAK
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