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消費者心理、最大の落ち込み 3月の消費動向調査

 内閣府が19日発表した3月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は38.6と前月より2.6ポイント低下した。比較可能な2004年4月以降で最大の落ち込みとなった。東日本大震災や原油高で先行き不安が強まり、国内旅行を控えるなど自粛ムードが広がった。ただ、百貨店など消費の現場では4月に入って支出を増やす動きもみられる。

 消費者態度指数は「暮らし向き」など4項目について、今後半年間の見通しを5段階で評価してもらって集計する。個人消費の先行指標となる。内閣府は消費者心理に「弱い動きがみられる」と判断し、4カ月ぶりに下方修正した。

 4つの指標はすべて悪化した。「暮らし向き」は3.3ポイント低下。外食大手のすかいらーくの3月の既存店売上高は前年同月比9.6%減った。自粛ムードに加え、ガソリン不足で消費者が乗用車での外出を控えたことが響いた。

 「耐久消費財の買い時判断」もマイナス3.8ポイントと落ち込んだ。家電や自動車を購入する意欲が低下していることを示す結果だ。3月末の家電エコポイント制度の終了が響いたとみられる。

 旅行需要も低調だ。4~6月期に国内旅行を予定する世帯の割合は30.3%。前期より3.0ポイント下がり、過去最大の下落を記録した。ゴールデンウイーク(GW)の国内旅行の予約件数は2~3割減。JTBの調査では、震災で「旅行や出張を中止・延期した」との回答が18.8%に上った。

 原油高も消費者心理に影を落としている。1年後の物価上昇を予想する消費者は69.3%に上り、08年11月以来の高水準となった。

 もっとも小売店などでは4月に入って過度な自粛ムードが和らぎ、支出を元に戻す動きもみられる。家電量販店などはエコポイント制度終了後の反動減を避けるため、エアコンや薄型テレビを大幅に値下げした。ビックカメラでは4月中旬までの薄型テレビの売れ行きが前年同期に比べ5割増えた。百貨店でも来店客や売上高が回復傾向にあり、高額品も売れ始めているという。

 消費者態度指数の3月調査の基準日は3月15日で、回答の34%は震災発生の11日以前に回収した。このため内閣府は「震災の影響は十分に反映されていない」とみている。また、全体の2%にあたる宮城県など98世帯で調査票を回収できなかった。

2011年04月19日 日本経済新聞

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