震災で打撃の企業に利子補給や融資拡大 静岡の商議所・自治体
静岡県内の商工会議所や自治体が、東日本大震災で被害を受けた地元企業の支援に力を入れている。浜松商工会議所は運転資金などの融資を受けた中小企業に利子補給を始めた。県も融資枠の拡大などで金融支援を拡充する方針。震災を踏まえた自粛ムードにより、売り上げが減少している中小企業の資金繰り不安の解消を目指す。
浜松商工会議所の利子補給は、日本政策金融公庫の「小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経)」を利用する中小企業が対象。3月17日の融資実行分に遡り、適用する。
マル経は1500万円を上限に無担保で運転資金や設備資金の融資が受けられる制度。浜松商議所は年1.95%(14日現在)の金利のうち、0.5%分を補給する。浜松市が2010年度から1%分を負担しており、中小企業の金利負担は実質0.45%になる。
一方、県は融資枠や資金用途の拡大を検討している。4月から制度融資である経済変動対策貸付枠(11年度分1000億円)に、震災で売上高が減少した企業向けの「緊急経済対策枠」(100億円)を設定した。同時に、個別企業への融資限度枠を、それまでの5000万円から8000万円に拡大した。
被害の長期化による経営悪化を見越し、経済変動対策貸付枠と緊急経済対策枠の拡大に向けた検討に入った。当面は売り上げ減少に伴う運転資金に対するニーズが強いとみられるが、中長期的には現行の制度融資では対応しにくい設備資金を求める企業が増加するとみる。このため今後、設備資金にも使える新たな支援方法も検討する。
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震災の影響で売り上げが減少する県内企業だけでなく、県外の企業を支援する動きも始まっている。被災し、電力不足で事業が停滞している東北や関東の企業が、一部の部門や工場を西日本に移す動きが出ている。浜松市では県外企業からゼネコンなどを通じて工場物件の問い合わせが数件あったという。貸し出しを検討するため、市内の空き工場の調査を始めた。
2011年04月15日 日本経済新聞
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