【クラウド情報整理術】ピカサ３は無料ながら高機能

　ピカサ・ウェブアルバムは、米グーグルが運営する写真保存サービスです。利用にはグーグルのアカウント（ＩＤ）が必要です。アカウントは無料で取得でき、登録すると１ＧＢ分の写真保存エリアが無料で利用できるようになります。

　ここに写真を保存する方法は２通りあります。ひとつは、インターネットエクスプローラーなどのブラウザーソフトでピカサ・ウェブアルバムを開き、ブラウザー上から写真を保存（アップロード）する方法。もうひとつは、パソコンや携帯端末向けの写真ソフト（＝ピカサ・ウェブアルバムに対応しているソフト）からアップロードする方法です。このうち、最も簡単なのはグーグルが公開しているパソコン向け写真ソフト「ピカサ３」＝アイコン＝を使う方法です。

　ピカサ３は無料ながら、きわめて高機能な写真ソフトです。グーグルのサイトからダウンロードしてパソコンにインストール・起動すると、そのパソコン内にある写真データを自動的にくまなく検索し、ピカサ３の画面上に整然と並べます。

　ここに表示された写真は、表示の入れ替えやファイル名の変更ができるほか、ピカサ３の豊富な画像加工機能（トリミングやサイズ・色調の修正など）を使って修正ができます。しかし、（ここがピカサ３のすごいところですが）元の画像は一切変更されません。保存場所やファイル名、色調などはオリジナルのまま、ピカサ３の中だけで写真が変更されるのです。したがって、利用者は安心してさまざまな加工を施すことができます。

　最近の高機能な写真ソフトに搭載されている顔認識機能（＝写真の中から顔の部分を認識し、同じ顔の人をグループにまとめる機能）や、ＧＰＳ搭載のデジカメで撮影した写真から撮影場所のデータを参照してグーグルの地図上に表示する機能、選んだ写真データを印刷業者にネット経由で送信して写真プリントできる「オンラインプリント」の機能などにも対応しています。

　このピカサ３で必要に応じて写真のファイル名を変えたり修正し、ピカサ・ウェブアルバムにアップロードします。ピカサ３に表示されている写真、つまりパソコン内のすべての写真データを一括でアップロードすることも可能ですが、あっという間に１ＧＢの容量オーバーになってしまいます。手間はかかりますが、確実に残しておきたい写真を選別して個別にアップロードするのがいいでしょう。それでも保存容量がオーバーしそうな場合は、前回説明したように有料のオプション契約を結びましょう。

　最後に重要なことをひとつ。ピカサ・ウェブアルバムはそもそも、ネット上で他のユーザーと写真を見せ合う写真“共有”サービスなので、アップロードされた写真は基本的に公開データとなります。ピカサ・ウェブアルバムを自分の写真保存のために利用し、他の人には見せないという場合は、「限定公開」という設定にしたうえでアップロードしましょう。（佐々木浩二）

2011年04月14日 ZAKZAK