新潟県、きょう「計画節電」実験 夏に備え企業参加
東日本大震災の影響で東北電力の夏場の電力不足が懸念される中、新潟県が提案するピーク時間帯の電力使用量を15%削減する「計画節電」の1回目の実験が13日午後5時から2時間行われる。県は計画停電の回避を目指し、企業や自治体に実験の狙いや具体策の説明を進めてきた。企業側も工場の操業見直しや店舗照明の節減など準備し、実験初日を迎える。
県内製造業では管理部門の勤務時間を計画節電の指定時間と重ならないようにするなどして対応する企業が多い。一度生産ラインを止めれば、清掃時間などを含めて前後数時間ずつの時間稼働ができない状況になり、生産効率が落ちるためだ。
亀田製菓は社内の空調を弱めて対応するほか、経理や人事部門の勤務時間を30分前倒しし、午前8時~午後5時とする。本社工場では、一部の生産ラインで指定時間の午後5~7時を従業員の食事時間に充てて節電に協力する。
三幸製菓(新潟市)も管理部門の勤務時間を1時間早め、午前7時20分から午後4時20分までにする。「企業の責務として協力できるところは貢献したい」(同社)という。
日本精機は13日、間接部門の社員に午後5時の定時退社を徹底させる。同社は「生産現場の影響が大きい夏場の計画停電は何としても回避してほしい」と訴える。コロナは本社にある広告用電飾の消灯や、工場などで照明、空調設備の節電を続け、「15%削減という目標に貢献したい」(広報室)としている。
流通業界でも節電の取り組みが進む。ホームセンターを運営する県内流通業最大手のコメリは、3月末に県が計画節電の発表をして以来、店舗で2割、本社で3割ほど照明量を節減した。店舗休業は考えていないが「13日の結果を見た上で、27日の2度目の実験の際にさらに節電策を考えるかもしれない」と話す。
ハードオフコーポレーションは、店内外の照明を消すほか、勤務時間が終了次第速やかに帰宅させる。また「各社員が個々に節電策を考え、いい知恵があれば提案し皆で実行したい」と話す。
原信ナルスホールディングスは既に暖房カットや照明のダウン、間引きを実施し約45%の節電を達成。新たな対応として野菜の冷蔵庫の電源を切ることも検討しているという。この機会に独自にデータを集めて結果と比較し「夏に向けての対策に生かしたい」としている。
第四銀行は13日に全営業店で残業を原則禁止し、午後5時に終業。ATMの設置台数の多い営業店では5時以降の稼働台数を減らす。すでに、営業店以外にあるすべてのATM約140台の稼働を休止しており、各営業店の照明やエレベーターの節電を実施している。
2011年04月13日 日本経済新聞
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